文字だけ右で50年書いてきた私が、師範を目指す理由
私は、生まれつき左利きです。
けれど小学校1年から6年まで、
「矯正」という理由で習字教室に通わされ、
文字だけを右手で書くようになりました。
それ以来50年、
私は右手で文字を書き続けています。
不自由はありませんでした。
日常生活にも、仕事にも困らなかった。
ただ、
定規で線を引くとき、
絵を描くとき、
無意識の動作では、
今も左手でしかできません。
「文字を書くときだけ右」
この分断された感覚を、
私は長い間、疑わないようにしてきました。
今さら左で書き直したいわけでも、
きれいな字を自慢したいわけでもありません。
私が師範を目指す理由は、
ひとつだけです。
この50年間の矯正は、本当に正しかったのか。
それを
「なんとなく」でも
「自己流」でもなく、
逃げ場のない基準で確かめたい。
だから私は、
上手く見せるためではなく、
教えるためでもなく、
逃げないために、
この過程を記録します。
これは、
文字だけ右で50年書いてきた私が、
師範を目指す理由そのものです。
